もう何年も前のことになる。
その頃の僕は、万願寺トウガラシを育てていた。成長がどうにも思わしくなくて、少しでも大きく育てたい一心で、米ぬかをたっぷりと施した。
栄養が足りないなら、足してやればいい。
それくらいの単純な考えだった。
結果は、思ってもみないものだった。
これまで経験したことのない数のカメムシが、万願寺トウガラシの苗だけに集まってきたのだ。
取っても取っても、次から次へとやってくる。
野菜はそのあいだにも、みるみる弱っていく。
なぜこんなことになるのか、当時の僕には見当もつかなかった。
ただ、虫と格闘するだけの日々だった。
それから数年が経って、僕は自然農を学ぶことになる。
そして同…