水をやり、野菜の世話をしながら、いつも視界の端にあった。特別に眺めるでもなく、見慣れた花だった。
その花を、なぜ畑に植えているのか。食べられるわけではない。花壇を飾るために植えたのでもない。根が土の中の線虫を抑えてくれるので、トマトとオクラの畝の脇に植えている。目に見えないところで働いてもらうための花だ。不思議なもので、花壇で咲くマリーゴールドよりも、畑のそれの方がずっと大きく、ずっと長く咲き続ける。
だから、毎日そこにあった。目立つ花ではないけれど、働きながら、静かに咲き続けていた。
けれど、ある朝、いつもより綺麗に見えた。
その日は朝靄がかかっていた。特別なことをしたわけではない。花が変わったわけでもない。三ヶ月見てきた同じ花が、その朝だけ違って見えた。
iPhoneを向けたけれど、写せなかった。目が受け取…



