そんな農法が、ここ数年で静かに、しかし確実に広がりを見せています。「自然栽培」と呼ばれるこの動きの源流をたどると、二人の人物に行き着きます。福岡正信氏と、川口由一氏です。今日は、この二人がなぜ「同じ場所」にたどり着いたのか、そしてなぜ今、彼らの思想が改めて求められているのかを書いてみたいと思います。
二つの源流、ひとつの思想
福岡正信氏(1913〜2008)は、愛媛県で「自然農法」を提唱した人物です。若くして農業試験場の技師として働いていましたが、あるとき「人間の知恵など自然の摂理の前では無力だ」という悟りに至り、不耕起・無肥料・無農薬・無除草という、四つの「無」を柱とする農法にたどり着きました。1975年に出版された著書『わら一本の革命』は世界数十カ国語に翻訳され、ベトナム戦争後のカウンターカルチャー…



